マンション投資 物件の可能性
時間はどんどん過ぎていく。
このままでは、もう地球に帰れなくなるのではないか、という不安が過ぎった。
違う、火星に来ているわけではない。
「お風呂はどうされますか?」彼女がきいた。
「いえ、私は…」「でも…」「いえいえ、そんな」私は立ち上がった。
「私がやります」「いえ、私にきせて下さい」「大丈夫です、できます」彼女はきっぱりとした口調で言い、立ち上がって螺旋階段の方へ歩く。
「あ、あのお……」「はい、何でしょうか?」彼女は立ち止まって、振り返った。
「いえ、その、なんでもありません」うーん、困った。
もう帰らないつもりのようだ。
たしかに、言葉では何度もそう言われている。
五回か六回念を押して尋ねたが、返答は変わらなかった。
私は、それでは少し困ると訴えたのだが、そのようなことになりませんよう努力いたします、という返答だった。
予算委員会の政治家みたいにそつがない。
返す言葉もない。
はっきりわかったことは、私よりも彼女の方が知能が高いという点である。
口では言い負かせない。
向こうの意志はしっかりしている。
確固たる理由を持っているし、主張も明確だ。
一方の私は、迷いがある。
意志が弱い。
理由も不明確。
おまけに言葉で説明することが不得意である。
これでは勝負にならない。
私のサブワーキングのうち、彼女に帰ってもらうグループは解散させた。
自分の方がここを出ていく、という道はある。
店へ戻れば、そこでなんとか一晩過ごすことができるだろう。
エアコンはあるし、ソファで寝ることも可能だ。
いざとなれば、その手がある。
彼女には何と言おう?そうか、ちょっと早く出勤します、と言えば良いか。
おお、我ながらなかなか名案ではないか。
他方、もう一つのサブワーキングは、彼女と私がこの部屋で二人で一晩を穏便に過ごす道を模索していた。
布団は一人分しかない。
毛布くらいは貸せるかもしれない。
やはり彼女だろう。
彼女に私の布団で寝ろとは言えない。
今は二階にすべてがある。
彼女にここで寝てもらい、自分は布団を持って一階へ移る、というのが妥当な線だろうか。
いずれにしても、決定的な解決策はない。
こういうときのために寝袋くらい買っておけば良かったのだ、という申し送り事項も出た。
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